食品廃棄物活用の取り組み

サステナブルな社会の実現を目指して

2015年に採択されたパリ協定において気候変動リスクに対する各国の目標が設定されました。我が国も2050年のカーボンニュートラルを宣言し、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー政策を始め、各分野での成長戦略が策定されました。

エネルギー分野では化石由来エネルギーから再生エネルギーへの転換やカーボン・オフセットの取り組みが求められており、太陽光やバイオマスなどの再生エネルギー電源の確保が必須の課題となっています。食料・農林水産分野でもみどりの食料システム戦略にて「CO2ゼロエミッション化」と「化石資源を原料とする化学肥料の使用量低減」が目標として設定され、国内の未利用資源であるバイオマス由来廃棄物の循環活用の仕組みを構築し環境保全型農業を推進することが目標達成の有効な手段と位置付けられています。

リヴァックスは、これらの課題に取り組む手段の一つとして食品の製造工程で発生する原料残渣物や期限切れ等で廃棄される食品廃棄物のカスケード利用の仕組みづくりを進めています。同じ課題に取り組む食品関連事業者や農業分野と連携し、バイオガス発電による地域社会のCO2削減貢献と農業分野での食品廃棄物由来の飼料や肥料の利用活性化による循環型バリューチェーンの構築を進め、サステナブルな社会の実現を目指します。

食品廃棄物のカスケード利用

2023年度に食品廃棄物等を原料とするバイオガス発電事業がスタートしました。従来から行っている乾燥処理との連携により取り扱える食品廃棄物の種類や量が拡大することに加え、メタン発酵槽の適正な負荷管理や発電量の最大化の取り組みも進めています。積替保管場所での仕分け機能を活かした良質な食品残渣の飼料利用やメタン発酵と乾燥の処理副産物の活用をフローに組み込むことで、食品廃棄物が持つバイオマス資源としての価値のカスケード利用を実現します。

メタン発酵プラント

乾燥プラント

・バイオガス発電による再生エネルギー由来電気への活用

食品の製造工程で発生する原料加工残渣や食品廃棄物を原料として受け入れ、メタン発酵処理によりバイオガスを生成し発電を行います。発電した電気はFIT契約によりすべて地域電力会社に売却しています。様々な種類の食品廃棄物を安定処理しながら、発電量も最大化させるようなプラントオペレーションノウハウの確立を目指し、メタン発酵技術の確立に取り組んでいます。
また、当プラントを稼働するために使用する電気はFIT非化石証書(トラッキング付)の導入により、すべて再エネ電気を利用しているため、処理工程でもCO2を排出しないゼロカーボンプラントとして排出事業者のScope3のCO2削減の取り組みにも貢献しています。

バイオガス発電について
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・乾燥処理のパッケージ利用によるメタン発酵処理安定化

乾燥処理はメタン発酵処理と比べ、食品廃棄物の成分が処理に影響を与えることが少ないため、処理前の成分調整が不要で、タイミングを気にせずに大量の廃棄物を短時間で処理できることが最大の特長です。メタン処理に不向きな廃棄物やメタン発酵槽の負荷バランスを取る際のバッファとしての役割を担い、メタン発酵槽の負荷の適正値での維持に貢献します。

・処理副産物の活用

メタン発酵処理は副産物として消化液が発生します。消化液は原料の食品残渣等に含まれる有機分をメタン菌が分解しバイオガスを生成した後の残渣で、肥料としての有用な成分を含んでいます。液状で発生しますが、そのままでは量が多すぎるため、脱水処理したうえで農業用の土づくりの資材として活用され、化学肥料の使用量削減に貢献しています。
また、食品廃棄物などの有機性廃棄物は乾燥させることで性状や品質が安定化されるうえ、廃棄物がもつカロリーや炭素成分といったバイオマス資源としての価値の有効活用がしやすくなります。
乾燥処理後の残渣である乾燥汚泥は低含水で高カロリーである特長を持っています。発酵堆肥製造時の水分調整や、発酵促進の資材として活用されています。また、セメント工場ではセメント焼成時に使用する石炭の代わりにCO2を排出しないカーボンニュートラルな燃料としての用途でも使われています。

・飼料利用品選別の取り組み

産業廃棄物として排出される食品廃棄物の中には家畜のエサとして有効な成分を含むものが多々あります。食品廃棄物の循環活用の観点からも飼料利用は最優先で行われるべき取り組みですが、畜産農家が必要としている成分は限定的であるため、さまざまな種類の食品がすべて利用できるというわけではなく、不用品の処理という排出者側のニーズを満たすものではありません。
独自に構築した飼料利用ネットワークにより畜産農家のニーズを収集し、積替保管倉庫での仕分け機能や荷姿変更機能を活用してメタン発酵処理や乾燥処理で受託した食品廃棄物の中から積替保管施設で飼料利用のニーズを満たすものを選別して飼料原料として利用しやすい形で供給する取り組みを行っています。

排出事業者様のメリット

  • サステナビリティの実現に向けた取り組みの推進

    気候変動リスクや資源循環への取り組みの1つとして、ステークホルダーからの信頼や評価の獲得につながります。

  • サプライチェーン全体でのCO2排出量削減

    焼却処理をする場合と比べScope3(廃棄物カテゴリ)のCO2排出量は大幅に減少し、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減を実現します。

  • 食品リサイクル率の向上

    食品メーカー様の課題である物流系食品廃棄物のリサイクル率upを実現します。リサイクルのための分別作業等の準備が少なく、貴重な人的資源の投入が不要です。

  • 廃棄物処分コストの削減

    焼却処理と比べ低料金でのご利用が可能です。飼料利用まで組み込めた場合はさらに大幅なコストダウンが実現します。

活用できる食品廃棄物

具体的な食品廃棄物:
・ジュース・お酒・濃縮果汁・シロップ・ヨーグルト・アイスクリーム・生クリーム・プリン
・ゼリー・果物缶詰・フィリング類・ジャム・チョコレート・パン生地・パンケーキ
・お菓子くず・もちくず・餡子・麺・野菜・豆腐・豆乳・弁当残渣各種・冷凍食品各種 etc.

物流拠点で発生する出荷期限切れ商品や
ダメージ品

製造工程で発生する基準外や
使用できない規格外原料

製造拠点で発生する製造ロス品や
加工残渣

有効活用の促進

リヴァックスでは、廃棄物処理事業で培った知識やノウハウ、技術、ネットワークをベースに食品廃棄物の有効活用を推進しています。また、食品関連事業者と連携し、廃棄物が持つ潜在価値を追求することで、幅広い分野での未利用バイオマス資源活用の仕組みづくりを進めていきます。