リヴァックスコラム

第4回 マニフェスト不携帯について

長岡 文明氏

今回取り上げる事案は、皆さんお馴染みの「マニフェスト」です。

マニフェストに関しては、皆さん、とても勉強されていますから、どんな違反で、どの程度の罰則かもご存じですよね。

でも、このシリーズでは何回か言っていることですが、こういう違反(記事)を見たときは、「他に登場人物は居ないのか?」に注目でしたね。

ちょっと考えてみるとわかることですが、産業廃棄物収集運搬業者さんが、排出事業者から産業廃棄物と一緒にマニフェストを渡されたら、マニフェストだけ現場に置き忘れてくるってありますか?

そう、おそらく、この事案で「運搬していた車両にマニフェストを備えていなかった」ということは、排出事業者がマニフェストを交付しなかったと推測されます。

さて、この事案、業者、排出事業者の違反条文は?罰則はどの程度?

 

まず、簡単な排出事業者の方からいきましょう。

これは「事業者が産業廃棄物を委託する時は管理票を交付しなければならない。(趣旨、簡略表現)」という第12条の3違反となり、罰則は、今回の法律改正で第27条の2となり、懲役1年以下、罰金100万円以下となります。(改正前までは第29条で懲役6ヶ月、罰金50万円)

受け手の業者ですが、実はこれはちょっとやっかいです。

「マニフェスト不携帯」となりますが、実は、このマニフェストの携帯義務というのは、収集運搬基準として規定されているもので、この条項については直接的な罰則の適用は無いんですね。法律第12条第1項→政令第6条→省令第7条の2の2で準用する第7条の2第3項第3号。

「ちょっと制度の不備じゃないか」と思われた方もいるかもしれません。でも、大丈夫!

先に書きましたが、「車両に備え付けておかなかった」ということは、マニフェストを交付されなかったのに産業廃棄物を受け取ったってことですよね。

これは別の条文で違反になるんです。第12条の4第2項違反です。この違反も今回の改正で強化され、最高刑懲役1年、罰金100万円に引き上げられています。

ちなみに、この業者に対する行政処分は、記事のとおり10日間の停止処分で済ませたようですが・・・・

こちらの東京都の事案では、同じマニフェスト不交付受託であるにもかかわらず、事業停止30日という処分になったようです。この違いは、おそらく、記事にあるように、東京の事案は、マニフェスト違反だけではなく、現物の産業廃棄物自体をルール違反となる自治体の処理施設に搬入させ、実害も発生したという要因ではないかと思われます。

ちなみに、・・・ですが、この2つの事案ともに、行政処分としては「事業停止」となりましたが、もし、この業者が廃棄物処理法違反と言うことで検挙され、裁判の結果、懲役、禁錮、罰金ということになれば、欠格要件に該当しますから、その時点で許可取消となってしまいます。

この「事業停止」という行政処分と、「懲役、禁錮、罰金」という刑事処分の関係については、第1回で書かせていただいたところですね。

 

今回取り上げた事案が、そうであるかはわかりませんが、マニフェスト不携帯の原因、動機として、「面倒くさい」という安易なものから、「処理料金」や「税金」を誤魔化すために、意図的にマニフェストを交付しないと言った極めて悪質なものまであると考えられます。

 

なお、マニフェスト不携帯を含めて、廃棄物処理法違反行為は、刑事罰、行政罰、そして民事訴訟による損害賠償等多くのリスクがある行為ですから、十分に注意する必要がありますね。

 

BUN(長岡)<(_ _)>(^-^)/

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