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「廃棄飲料をバイオマス燃料に加工する専用施設が稼働」<ビバリッジ ジャパンNo.322>

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 総合リサイクル事業を展開する大栄サービス(兵庫県西宮市)は、賞味期限切れなどで廃棄される清涼飲料水を専用に管理・保管し、バイオマス燃料に加工するための前処理機能を備えた施設「リバース・マネジメントセンター」を西宮市内に新設し、今年3月より稼働している。廃棄飲料を専門に保管・処理してバイオマス燃料に加工するのはリサイクル業界では初の試みといい、すでに8月末までで約1200トンの処理を行なっている。

 同社では飲料メーカーから委託されて廃棄飲料を運搬、保管、処理する。廃棄飲料を同センターに集約することで、リサイクルのための前処理を効率的に行なえる。具体的には、前処理として段ボールなどの梱包資材と廃棄飲料に選別し、廃棄飲料は製品のまま破砕処理設備にかけられ、中身の液体と容器(PETボトル、缶、紙容器、ガラスびんなど)に分離される。その後、破砕された容器は品目別にリサイクルされ、液体は汚泥や食品残さ等のその他の有機性廃棄物と混合し、乾燥設備によって固形状のバイオマス燃料に加工される。このバイオマス燃料は、有機性廃棄物100%が原料のカーボンニュートラルな燃料であり、ボイラー燃料として利用することができる。

 同センターの保管面積は195m2、保管容量は585m3で、これは2LPETボトルで約30万本、190g缶で約300万本の保管が可能だという。一方、周辺への環境対策として脱臭装置を備えるとともに、廃棄飲料の施設外への流出を防ぐため24時間のセキュリティー体制を構築している。なお、同社ではISO14001の認証も取得している。

 飲料メーカーでは、廃棄飲料が物流センターや倉庫のスペースをとるといった流通経費が掛かっているが、処理を委託すれば倉庫の回転率を向上できるメリットもある。一方、同社では廃棄飲料の運搬から最終的な燃料加工まで、一貫したサービスを提供することで、メーカーの不良在庫削減とリサイクルに貢献することを狙っている。詳しくはリーダーサービスカードNo.592で。

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